鳥取県庁関係人口推進室で、ファミリーワーケーションの今後を共に構想するプランナーを募集
人口最小であることを逆手にとり、全国で初めて「関係人口」に特化した専門部署(関係人口推進室)を立ち上げた鳥取県庁。全国でも関係人口創出の先駆けともいえる取り組みを行ってきた当県庁の関係人口推進室にて、副業人材限定でポジションを募集する。
今回募集するポジションは、「ファミリーワーケーション」ロードマップ作成プロジェクトの推進プランナー。鳥取県でファミリーワーケーションが日常的に実施される状況をつくり出すため、地域における理解醸成・人材育成・環境整備・ファンディングの観点からロードマップの作成を担う役割だ。
各組織の縦割りを意思を持って乗り越え、関係人口の創出・拡大に挑む
鳥取県庁・ふるさと人口政策課 関係人口推進室の初代室長である岡本圭司(おかもと けいし)さん
鳥取県庁が全国でも先駆けて関係人口の創出・拡大に力を入れ始めたきっかけは、2019年4月の鳥取県知事選挙。元々、鳥取県には、人口約56万人に対し、毎年約2000人の移住者がおり、人口あたりの移住者の数としては全国的に見ても多い方だった。しかし、移住は地域間での奪い合いとなる面は否めず、地域の活力を維持するためにはそれだけでは足りないという課題感から、”関係人口の創出・拡大”が鍵を握るという方針を打ち立て、2019年7月に全国で初めて「関係人口の創出・拡大」を専門とする関係人口推進室が創設された。
「創設以降、関係人口の創出・拡大に向けた様々な取り組みを行ったことで、オンラインイベント等での露出も増加し、関係人口に関心のある自治体などの関係者の間で本県は先進地の一つとして認知されるようになってきたと感じます。」
そう語るのは、2019年に新設された鳥取県庁・ふるさと人口政策課関係人口推進室の初代室長である岡本 圭司さん。
これまで、都市部の副業・兼業やプロボノ人材の誘致、働きながら地域住民との交流や学びを体験するワーキングホリデーの実施、ワーケーションの推進に向けた基盤整備や地域との関係形成支援、他自治体と連携したオンライン関係人口未来プロジェクトの実施などに取り組んできた。
「しかし、これまで進めてきた副業・兼業人材の受け入れやワーケーションの推進は縦割りで進めていた面が大きかったように感じます。副業は副業、ワーケーションはワーケーションとバラバラに行っており、それぞれの繋がりはとても弱かった。」と岡本さんが語るように、縦割りを超えた連携は課題の一つだった。
そこで、2021年度は、従来の関係人口、ワーケーション、都市部人材による副業・兼業の縦割りを超えて連携を進めることに。鳥取県と関わりを求める都市部人材に、企業・非企業、営利・非営利、副業・プロボノなど多様な関わり方を提供する「ふるさと来LOVE(クラブ)とっとり」を実施する。その中でも、家族を含めた多様な関わりを提供する方法として、ファミリーワーケーション推進を柱の一つに位置づけている。
「ふるさと来LOVE(クラブ)とっとり」のモデル図 PDF(鳥取県公式サイトへリンク)
鳥取県はコンパクトなため、仕事や家族連れの滞在に必要な“まちの利便性”を大きく損なわずに、自然豊かな場所で活動や交流を行うことが可能であることが強みだ。この環境を活用して、鳥取県内で、仕事・家庭・生活を一体とした新しい関わり方を生み出していきたい、ということが今回の狙いだ。
多くの副業人材を受け入れてきた鳥取県だからこそ、副業人材の可能性を信じている
2020年度に実施したワーケーションモニターツアー時の様子
岡本さんは、今回のポジションをあえて「副業」で募集する狙いを以下のように語る。
「鳥取県は、これまで都市部のハイクラス人材と県内企業を副業でつなぐことに取り組んできたため、副業人材のもたらす影響は、私たち自身が強く感じてきています。しかし、これまで鳥取県庁自体では副業人材を県内企業のように活用したことがなかった。そこで、『県内企業に副業人材の活用を促進していくのと同時に、私たちが自身も挑戦者でなければいけないね』となり、また、今回取り組むファミリーワーケーションのプロジェクトには、県外の方からのいち参加者としての声も反映していきたいという想いから、フルタイムではなく副業で募集することとなりました。」
副業人材の地域にもたらす価値をよく知る岡本さんだからこそ、その力を今回のファミリーワーケーションの推進にも活かしていきたいという狙いだ。
今回、副業人材が取り組むのは、鳥取県が策定している第2期鳥取県総合戦略「鳥取県令和新時代創生戦略」の計画期間である2024年末までに、鳥取県でのファミリーワーケーションが日常的に実施される状況をつくり出すためのロードマップの作成だ。ロードマップの作成にあたっては、今年の9~10月にはテストツアーの企画と検証も共に行うことを予定している。
県内及び都市部のファミリーワーケーション関係者との交流や協働を図りながら、地域における理解醸成・人材育成・環境整備・ファンディングの様々な観点からの提案が期待されている。
最後に、岡本さんは今回のプロジェクトに参加する副業人材にとって得られる価値をこう話す。「関係人口やファミリーワーケーションは、今後、全国各地が取り組んでいく分野です。しかし、鳥取県を含めて、この分野はまだ模索の状態。共に実践を繰り返しながら地域や社会の”これから”を作っていく経験は、貴重なものになると思います。ファミリーワーケーションを通じて、鳥取県でより多様な人が輝ける未来をともにつくっていきましょう。」
※今回の鳥取県庁関係人口推進室での副業求人は、鳥取県の「とっとり電子申請サービス(鳥取県)」上にて掲載しております。詳細は以下のリンクよりご覧ください。
※必ず現勤務先の副業関連規定をご確認の上、ご応募ください。